親知らず4本抜いた

ひさしぶりのはてブがこんなエントリーでどうなんだ。でも痛みで何をする気もおきないので書いておく。

 

 

どうして親知らずを抜くことになったのかというと、話は中学2年生のときから歯科矯正をしていることに戻る。なんで矯正をすることになったのかは全然覚えてないけど、母親に勧められたからだったような気がする。わたしからやりたいと言った記憶はないけど、どちらにしろお金を出してくれた親には感謝してもしきれない。歯並び綺麗だね、と褒められるたびに痛い思いをして矯正してよかった、おかあさんありがとう、アーメン、と思う。おかあさんありがとう。あ、お父さんもありがとう。そしてわたしも痛みに耐えてがんばりました。

 

その矯正治療の一環で、親知らずを抜くことになった。

6〜7年通って歯並びが良くなってきたころ、レントゲン写真を撮らされ、それを見た先生に、「親知らず全部抜いてきてください」と言われる。

「抜かないとダメですか?」と抵抗をするが「抜かないとまた歯並びが悪くなりますよ」と脅された。

歯茎のなかに埋まっている親知らずが斜めに生えていて、それに圧迫されるので歯並びがまた悪くなるらしい。しかも4本全部が頑なに居座っていやがる。憎たらしい。

わたしは一応言うことを聞いたふりをして、大きい病院の紹介状をもらって帰った。

 

予約の電話をかけるのに1年かかった。

 

電話が嫌いなタイプのゴミクズである。実家に帰るたびに母親に怒られて、去年の夏、やっと予約の電話を入れた。紹介状は日に焼けて変色してた。

診察にいくと、「4本全部抜歯となると全身麻酔で入院ですね」とまた脅された。

入院のための案内などを渡されて、診察から3ヶ月以内でないと入院できない旨をきいて、夏休み終了ギリギリで診察にいったわたしは、また春休みに来ます、といってまた先延ばしにした。帰って母親に報告したらまた怒られた。

 

予約の電話が嫌いなゴミクズことわたしは、電話を先延ばしにしていたら診察に行くならこの日しかないのに土日祝日を挟んで予約の電話ができず当日突撃訪問することとなった。ほかの科にお世話になるべき害児とはわたしのことです。

 

その日の診察で、2週間後に手術を決行することになった。

 

 

 

3/11 入院

午後に入院の説明をうけて、病室に通される。

担当の先生と、麻酔科の先生と薬剤師さんと担当の看護師さんと話をした。

トイレで部屋を開けている間に誰か来たのか、テーブルに「今日の夕食後から禁食、明日の6時以降からは水分もとれません」という怖い貼り紙がしてあったので、麻酔科の先生に呼ばれて診察室で話を聞いたあとコンビニに寄って食べ物を詰め込んで病室に戻ったら、「まだ診察終わってなかったんだって〜!呼んでくるように言われたんだけど、今戻って来たところ?」という看護師の言葉に食い入るように「今戻って来ました」と答えてしまった。ごめんなさい。

 

18時くらいにごはんが出て来て、ちゃんとしたメシ!!!!!!!!!と思って一心不乱に食べてしまい隣のオバサンがクチャラーだったのでカーテン越しに中指を立ててしまった。

その日はとくにすることもなかったので持って来た本を読んではじめての病院を楽しみながら21時半に寝た。

 

 

 

3/12 手術

朝の5:55に起こされる。毎日2時くらいに寝てお昼過ぎに起きるクソ大学生には拷問のような朝だった。半分目も開かないまま検温をし血圧を測られる。6時からは水すら飲むことを禁止されていたのでカラカラの喉で「このあとは何をしていたらいいんだ・・・」と虚無をみつめる作業に入る。

8時45分からの手術で、40分くらいになると担当の看護師さん(本上まなみ似)が迎えに来てくれてしゃべりながら手術室に向かった。「手術ってはじめて?」「怖い?緊張してる?」「どこの大学なの?高校は?」等の質問をされて、もしかしたらわたしはこれから抜歯ではなくAVの撮影にでもはいるのかな?そっちの方がいいななどと下品極まりないことを考えてたらやっぱり着いたのは手術室だった。

機会がいっぱい並べられたマジの手術室に通されて、ベッドに仰向けになるや否や色んな装置を取り付けられてなぜか手の甲に点滴?のようなものの針をぶっさされ、痛いと思うまもなく酸素マスクを取り付けられる。「これから麻酔いれますね、10数えないうちに眠りますよ」と言われ眠れなかったらどうしよう、と思っていたら目が覚めて「終わりましたよー」と言われた。

 

 

エッッッ

終わってる!!!!!!!!!!!!!!!!!!

なんか、ベッドで運ばれてる!!!!!!!!!!!!!!!!口が動かない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

麻酔って、すごいんだな。

 

そのあとはとっても地獄だった。

絶対に2020年の3月12日には帰りたくないくらいの地獄。ずっと地獄。

病室に帰ってくると(運ばれたんだけど)、「今、9時55分ですね」って言われた。1本15分くらいで抜いた(砕いた)ってことじゃん?腕がよすぎ。ありがとう先生、ありがとう全身麻酔、と思ってると、「ここから3時間安静ですね〜」っていわれる。

 

3時間……?

3時間???!???!?!!!!!!!?!?!?!?!?!??

1時間を3回繰り返すやつ?

1分を180回繰り返すやつ?!??!!?????!!!???!???

 

麻酔のせいで喉は痛いし、若干鼻がつまってるような気もするし、歯茎にも局所麻酔をかけたのか口が全然動かないししびれるし息ができない・・・死ぬ・・・と思って必死に「息ができない・・・・・・・」って看護師に伝える死にかけのわたし。恥ずかしい。

「え?息できない?なんで?」って言われてもできないものはできないんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!とは言えず「頭あげてもらえます・・・・?」ってお願いしてベッドの頭部分をあげてもらったらなんとか通りがよくなった(気がした)。

手には点滴がささってるし、体にも心電図の機械がつながってた。

謎の場所に点滴の針をさされたせいで動かすと痛いし、まっすぐ仰向けの状態から動けなくて、これが・・・植物状態・・・などと不謹慎なことを考えながら、身動きはできないけど意識ははっきりしてる地獄のような状態で虚無を見つめながら3時間耐えた。えらすぎる。

途中途中「変わりないですか?」って看護師さんが訪ねてくるんだけど、ひとり寂しく「この地獄はいつ終わるのか・・・?」と泣きそうになっていたわたしには天使にしか見えなくて白衣の天使とはまさにこのこと・・・と思いながら絞り出した声で「はい…」って言うとすぐどっか行っちゃう悪魔でもあった。悪魔だよ。

「ずっとじっとしてるけど横になったりとかしていいんだよ?w」とか言ってくる。

この手に点滴が繋がってなかったらな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

とは言えないので素直にちょっと動いてみると「そうそう!そんな感じー!楽にしてていいからねー!」と謎の追い討ちをかけてくる。

こわかった。

3時間経つ少し前に、「もう少しで安静解除かな〜機械もとれるよ!」と言われ身動きができる!!!!!!!!と意気揚々のわたしであったが、あの悪魔が取っていったのは心電図の機械だけで点滴はそのままわたしの手の甲にさされたままだった。

「どうしたの?すごい険しい顔してるよ・・」と言われたので悪魔を睨みつけながら「トイレ・・・・・・・」とだけ発するわたしを優しくトイレまでエスコートしてくれた。加藤シゲアキか!!!!!(??)

点滴のガラガラを押しながらトイレに向かって不自由な左手(なぜか左に点滴をさされた)をかばいながら右手でなんとか用を終えた。右手だけでもトイレができることを学んだ。

その後は点滴がさされた左手をまったく動かせないので(動かすと針も動くような感じがして痛い)ベッドの上で直立不動の状態で過ごした。

15時くらいになってまなみ(朝一緒に手術室に向かった人)が、「わたし今日早上がりで、3時には帰っちゃうんだけど、なにかあったらナースコールしてね〜😊」と言い残して帰っていった。

いや、勤務状況教えてくれなくてもだいじょうぶですよ・・・・・・・・そうなんだ・・・・おつかれまなみ・・・・・。

そのあともほんとに寝るしかやることないし寝たり起きたり虚無を見つめたりして過ごした。ちょっと起き上がってスマホを触れるくらいには動けるようになったけど、右手しか使えないので来てた通知とツイッターを眺めるくらいでやめておいた。昨日は18時くらいに夕飯だったから今日もそのくらいだろうと思って18時までは耐えることにした。

 

18時過ぎたくらいに母親と夕食がきた。どっちに喜べばいいのかわからなかった。

母親は家を出た時にマスクを忘れたことに気づき、途中で子供用のマスクしか調達できなかったらしく、シナモンのちっちゃいかわいいマスクをギチギチにつけながらやってきた。

「なんか警備員に笑われた気がしたんだけどなんだろうね?やっぱこれ?これ変?すっごいきついんだよね」とまくしたてながらわたしの写真撮影にピースで応じるのであった。わたしにもその元気わけてくれんか?

母親がプリンを買って来てくれたけど、わたしが好きなやつだったので退院してから元気なときに食べたくて持って帰ってもらった。左手はほぼ機能しないので、母親がごはんにかけてあったラップとかヨーグルとのふたとかを取ってくれて、「じゃあお大事に!」と言って帰っていったあと、泣きそうになりながら1時間くらいかけてごはんを食べた。

食べてる間に「〇〇さ〜ん?あ、まだ食べてますねすみません」って看護師が2回来た。

 

その夜は、昼間やることがなさすぎて寝すぎたせいで全く眠くなくて、一晩中痛みに耐えながら虚無を見つめていた。点滴は寝る前に取りに来てくれて乱舞しかけたが、ホースをぐるぐる巻いてわたしの手にガーゼでくくりつけるので、「今日これこのままですか?」って聞いたら、「そうだね〜これとったら明日また針ささないといけないからね」と言われて点滴の針をさされたまま一晩を明かさなくてはいけないことに絶望に手を出しかけた。

明日も・・点滴すんのかょ・・・・・・・・・・。

でも昼間よりは自由度が増えたのでちょっとうれしかった。寝られなかったけど…。

19時過ぎくらいにやることがなくなって、ちょっとツイッターをいじったりして、それでも20過ぎたくらいで、まだ地獄だ・・・・と思うなどした。

一応ベッドに横になるけど全然眠くないしほんとにどうするか・・・?と思ったけどやっぱり横になって天井を見つめるしかやることがなかったので、がんばって目を閉じてみた。

 

ちょうど麻酔がとれてきて夜の間中ずっと激痛に耐えてたのもあって、本当に眠れなかった。ちょっと意識が遠のいても寝るまではいかなかった。めっちゃ唾がでてくるけど唾の飲み込みかたもわからなくなって唾がたまるたびに水で飲み込んでたらめちゃくちゃトイレに行きたくなって夜中3、4回くらいトイレにいった。

夜中、「う〜〜〜〜〜〜あああああ〜〜〜」っていうおじいちゃんだか誰だかわからない声が2時間に1回くらいわたしの病室のフロアに響いてた。ナースコールなのかなんのサインかわからない「エリーゼのために」がひっきりなしに流れてた。

 

寝られるわけねえだろクソが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

同室の隣のオバサンは夜中に電気をつけるしスマホはマナーモードにしてないしいびきをたてて気持ち良さそうに寝てたのでなおさら腹が立った。

ババア、許さない。

 

 

3/13 退院

6時過ぎに検温と血圧検査のために看護師さんがやってくる。まなみではなかった。

この時には痛みはひいてた。

「どんな感じ?」と聞かれたので「痛くて寝られなくて…」と答えたら「そうだったの?!気づかなくてゴメンね……薬飲んじゃってもよかったんだよ〜!」と申し訳なさそうに言われたのでこちらがゴメンだわ…と思うなどした。

 

顔、腫れてるかな…と思って鏡をみたらびっくりするくらい腫れてて、常日頃から「ハムスターになりたい❤️」とはほざいていたがこんな形で叶わなくてもいいのに・・・・・・・・と朝から鬱になった。

 

朝の8時過ぎくらいに診察に呼ばれて、それが終わるとまた点滴を打った。30分くらいで終わるからね〜と言われたので今度こそ喜んだ。

虚無を見つめながら点滴が終わるのを今か今かと待って、なくなりそうになったので興奮して立ち上がったら点滴のホースを血が逆流したので悲しみのナースコールをした。あとちょっと残ってたけど終わりにしてくれてわたしの点滴生活は終わった。抜く時めっちゃ痛かった。

 

そのあとお兄が迎えに来てくれてわたしの入院生活も終わった。

荷物も全部持ってくれてお会計の時も待っててくれて、優しいじゃん。。兄ピ。。と思っていたら無言でコンビニに入って行って無言でジュースを渡されて「なに?わたしいらないよ!」って笑ったら「ちげーよ」と言われてお兄のジュースを買わされた。

そんなことある????????????????

今日、退院ホヤホヤの妹なんだけど????????????????

そのあと駐車場をでようとしたら間違えて隣の施設の駐車場にはいっていたらしく、番号がないと出られない式の駐車場で、「前の車が押すやつ見ればいいんじゃね?」と覗き見するも叶わず、駐車場をさまよった挙句「聞いて来て☺️」「どこに?」「知らないはやく☺️」と脅されたので、退院ホヤホヤのわたしは病院と隣の施設の受付のお姉さんに謝り倒してなんとか駐車場を出たのでした。

兄、許さない。

 

 

 

○その後

いや昨日よりも顔腫れてんだが!!??!??!!!?!?!?!?!?!

昨日の夜もめっちゃ腫れててお風呂はいって鏡みたら怪物がうつってて転ぶかと思った。ハムスターみたい❤️とか言ってる場合ではなく真四角になっている、わたしの顔、人の顔って四角になれんだ??????????

家族にもこの顔見せられなくて家の中でもマスクして生活してる。ちょっとしびれてるみたいな顔を引っ張られてるような感覚はあるけど鎮痛剤飲んでたらそんなに痛くない。ごはんは昨日からおかゆをすする生活だし、でも今日の朝はちょっとリッチにフレンチトーストを飲んだ。

はやくふつうのごはんが食べたい。来週とか飲み会あるけど大丈夫かな?????

 

そういや抜いた親知らず渡してくれたんだけど、(まなみが「抜いた歯、どうする?見る?」というので「見ない!!!!!!いらないです!!!!!!!!」と言ったのに「そっか(笑)じゃあロッカーのなか入れとくね(笑)」と無慈悲にも置いていきやがった)退院する日に迎えに来た兄ピにそれ見せたら「気持ち悪・・・」といわれて荷物の中にぶちこまれましたがさっきまたその話になり、

兄ピ「抜いた歯気持ち悪かった」

ママピ「あんたにも生えてるぞ💢入ってるか抜けてるかの違いだからな💢」

わたし「そうだそうだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

という言い合いをしました。ママピ大好き。

 

 

親知らずを抜いてよかったかどうかはわからないけど多分抜かないでいれる人生のほうが絶対いい。抜かなくていいなら抜かない方がいい。しらんけど。

一般人は菊池風磨さんみたいな綺麗な腫れ方はしないし親に「ペヤングみたいになってるのうちの娘」って言いふらされてもいいなら抜いたらいいと思う。

 

 

人間ってペヤングになれるんだな。